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本を捨てないでください(小説)(アイラ) 

日の小説のタイトルは、「本を捨てないでください。」です。
主人公は、ダンバートンで本を売っているアイラです。
内容はコメディ?かな~α~ (ー.ー") ンーー
まあ、前回よりは短いです。
あと、今回からマビノギ以外のTBにも送らせてもらうので、一応断り書き。この小説はMMORPGマビノギの2次小説です。ここに出てくるキャラクター達はマビノギに出てくるNPCがモデルとなっていますがミミガーの脳内で勝手に構成されてますので、実際の設定とは全く関係ありません。
ってかんじで、いいのかなぁ( ̄~ ̄;)??
まあいいや。
それでは、どうぞ。
PS.遅くなってすいません。次くらいからはもっと早くUPできるようにがんばります。<(_ _)> ゴメンネ
+ノベルページもよろしく。(-花-)
『―ジリリリリリ!』
「…ん」
彼女―アイラは目覚まし時計の音で目を覚ました。外はまだ薄暗く、人通りも少ない。
緩慢な手つきで目覚まし時計を手に取り鳴り止ませ、のそのそとベッドから這い出た。
(うー…眠い…)
ふらふらとした足取りで、瞼をこすりながら1階へ向かう。その途中で母とすれ違った。
「あら、アイラ。今日は早いのね」
「うん…今日は新しく入荷した本の量が多くて…」
「そうなの。じゃあパンでも焼いておくから早く顔洗ってらっしゃい」
前に居た母が笑みを浮かべ言う。アイラはこくりと頷き洗面所へと足を向ける。
目的地につき、ぱしゃぱしゃと顔を洗うと意識もはっきりとしてきた。
髪をすき、愛用の眼鏡をつけて思う。
今日も1日頑張ろう…!




母が焼いてくれたパンを口の中に入れすぐに店の方に向かい、
新しく入荷した本のチェックを始めた。
―えーと、この本は…これだけの数であってるわね―
いつもより時間をかけて全てを調べ終わったアイラは開店の準備をし始める。
店を軽く掃除し、
在庫の量を調べ、
入荷した本を店の前の方に並べた。
見ると空も明るく、ラデカも大分天の方に昇ってきている。人々の声が聞こえ、
街に『力』が入り始め―
「よし!」
彼女は看板を[Close]から[Open]にひっくり返し
「皆さ~ん、新しい本を入荷しましたよ、見ていってくださ~い!」
開店した。



「アイラ、この本を1冊くれ」

「くださいな~」

「すみません、これの在庫はもうないんですか?」

「あの…先日注文していたものは届きましたか?」

「あ、アイラちゃん今日も可愛いんだな。いいいっしょにどこかこか景色のいいところに
いくんだな!」

その日の売り上げはすごいものであった。客足が途絶えず、アイラの目はぐるぐると
渦巻状になっている。
彼女は声を大きくして一人一人の発言に答える。

「はい、わかりました~!」

「お買い上げありがとう御座います!」

「えぇと…在庫はあります。とってくるのでしばらくお待ちください」

「業者の方が遅れていまして…2時間後くらいに梟が届けに来るので
それまで待っていてくれませんか?」

「…帰ってください」

彼女は思う。
これが新しい本の力なのね・・・!
自分の店の品物がどんどん売れていくのはすごく嬉しい。
だが、1つだけ、どうしても気になる事があった。
本を買った人が、店の前で本を読みふけっている―他のお客さんに迷惑だが、これは別にそこまで気にはしない。
が、しかし、その読んだ本を店の前に―-店の前に捨てているのである。
今までもこういう事はよくあったが、今日は特にひどい。
売り上げている本の量が多いのだからこれは当然の事だ…と自分に言い聞かせる。
本を捨てている人達を観察すると1つの共通点があることに気づいた。
皆じーっとその場で本を読み、
いきなり両腕を振り上げて喜び、
そしてポイッと本を地面に捨てている。
(なにかの儀式なのかしら・・・)
バサッと音がしてまた1冊の本が地に舞った。
こめかみがひくひくとするが無理やりそれを押さえつける。
(我慢、我慢よアイラ。この人達はお客さんなんだから!)
そういう事を考えている間も買い手の数は増える一方だ。
こうしてアイラのその日の1日が過ぎていく――



イウェカも天に昇り、周りも暗くなってきている―そろそろ閉店の時間だ。
アイラは肉体的にも精神的にも限界だった。店の前には、捨てられた本の山ができている。
内心は憤慨の一言。
(まったく、買った本をすぐ捨てるなんておかしいわ!…もったいないオバケがでちゃうじゃない!)
彼女は人に踏まれ、乱雑した本を憂いの眼差しで片付けていると、
1人の青年―客が来店してきた。
「あの~、この本欲しいんだけどまだお店開いているかな?」
「はい、大丈夫ですよ。ではこの本1冊で2500ゴールドになります」
この人が最後のお客だろう。
彼女は思い無理矢理、笑顔を作る。
客は会計を済まして―その場で袋に入った本を取り出し読み始めた。
(まさか・・・)
すごい速さで本をめくり、最後のページを閉じて両腕を振り上げながら喜び、そして―
「あぁ~っ!捨てた!捨てましたね!」
我慢の限界だった。自分でも頭のなかで『プチッ』という音が聞こえたような気がする。
「え!?」
客は何が起こったかわからないような顔をして驚いた。
「そこに座ってください!」
「え、え?」
「正座!!」
「は、はいぃ!」
客は訳もわからず地面に正座する。石でできた床が痛い。
「いいですか、そもそも――」
「……」
(な、なんでアイラさんはこんなに怒っているんだ?)
話を聞いてると、どうも本を捨てていくのが気に食わないらしい。
…確かに今思えば軽率な行動だったと言えるだろう。
しかし、彼女の怒り方は尋常じゃなかった。まるで子供のだだの――
「聞いてるんですか!?」
「き、聞いてます!」
「本にだって意思みたいな物がきっとあるんです!だから―」
(あぁ…長くなりそうだ…)
そこから話は様々な所へ行き、家族のあり方とかそういう所にまで飛んだ。
アイラのありがたい説教は1時間程続いたのであった。



「つまり、健康的に考えても植物性の油の方がいいんです!」
「…はい」
客はいったい自分が何の説教を受けているかわからなくなっていた。
植物性油の話が終わった後、彼女は顔を伏せて黙っている―少し落ち着いたようだ。
客は他の話はどうにしろ、本を目の前で捨てたのは確かに深く反省しなければならないと
思っていた。
立ち上がり、
「いてて…ごめんなさいアイラさん。本を本屋の目の前で捨てるなんてやっぱ駄目だよな。
皆がしていたから自分の中でもそれが当たり前になってた」
謝る。
さっきから顔を伏せていたアイラが顔を上げると頬を涙が伝っていた。
月明かりに反射し、儚く、また美しくさえ見える。
「…ご、ご免なさい。お客さんにこんなえらそうな口聞いて…」
「いや、どう考えてもこっちの方が悪かったから。気にしないで」
(まぁ後半は意味不明だったが…)
客は心のなかで少し考えてしまった。
アイラは必死に言う。
「謝ります。あ、あの、えっと…だからこんな事で嫌いにならないで欲しいんです(店を)!」
客はその台詞にドキドキしてしまう。―俺って好かれてたのか…?
「嫌いになるわけないじゃないか。」
客は上気した顔で答え、ごそごそと背に担いでいたリュックから薪を取りだして地面に並べ始めた。
(…何をする気なのかな?)
アイラが不思議に思い客を眺めていると薪に火をつけていた―どうみても焚き火である。
「今までなんてもったいない事をしていたんだ…これだって立派な経験値じゃないか!」
と、意味不明な事を言い、先程自分が捨てようとした本と
他の捨ててあった本を集め、その火の中に、投げ込んだ―
「塵も積もれば、ってやつだな」
「―――はぅ―」
しばらく固まってその光景を見ていたが、あまりのショックにアイラの意識はそこで途切れた。
―失神してアイラのその日は終わったのであった。

おわり
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