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即席騎士(小説)(ダンカン) 

すいません。
ひさしぶりの更新です。
いままで、夏休みを満喫してました。><
今日はダンカンのお話です。
では、どうぞ。

「ふぅ…」
空が青から赤、赤から黒へと移っていき、天には星とイウェカが見え始める。
「……」
しばし上を眺め、家に戻る事にした。
もう外で待ってていても人が訪ねてくる事もないだろう。
昔と比べ、少し重くなってきた足を動かし、扉を開けた。
自分の名はダンカン、村で村長をしている。
村長といってもそんなにたいした事はしておらず、人の相談に乗ったりする事が日課だ。
家では一人暮らしで、他にはだれもいない。
「ただいま」
などと言っても当然返事を返す者はいない…はずだが、
「おかえりだにゃ」
「……」
そう返したのは返したのは、暖炉のまえに敷いたカーペットの上に陣取った猫だった…


「ニャア~ン…」
気の抜ける『声』を発しながらその変な猫はごろごろと床を転がる。
最近になってこの変な猫は家に住み着くようになった。
人語を使う猫―最初は驚いたが今ではすっかり慣れたものだ。
別に悪さをする訳でもなく、家の中にいるだけのようなので追い出すような事はしなかった。
「君、何か食べるかね?」
「ん~別に食べなくても平気だけど、くれるって言うならありがたく頂戴するにょん」
暖炉で暖めたミルクと、村人が持ってきてくれたパンを差し出すと
「んまいにゅ、絶品にゃお~」
などと言いながら、それらを口の中に入れ始める。
「そうか…」
近くの椅子に座り、その様子を眺めた。
「ごちそうさまだにゃ~」
「……」
器用に前足で合掌している。
しかし、本当に不思議だ。
今まであまり深く話した事が無かったので、今日は少し話してみようか。
「なぁ、ネコ君」
「なんだにゅ?」
「聞きたい事があるんだがいいかな?」
「質問によるにゃ。ネコには秘密がいっぱいなんだにゃ」
むふーと息を吐きながら偉そうに言う。
仰向けの状態から4足で立ち、こちらに近づいてきた。
「さぁ、質問をどうぞだにょん!」
「…まず、君は本当に猫なのか?」
「はぁ、流石に歳なのかにゃダンカン村長。僕のどこを見て猫以外に見えるにゃん?」
「……」
何かバカにされた気分だ。いや、されたのか―ネコ(みたいなもの)に。
「人間の言葉を話す猫なんて、見た事無いのだが…」
「いるにゅ!目の前に」
ぴょんぴょんと跳ねて自分をアピールしていた。
どうみてもただの猫には見えない。
むしろ魔物の類じゃないのか、とすら考えてしまう。
「まぁ百歩譲って猫だとしよう。で、どこで人間の言葉を覚えたんだ?」
「さぁ?僕もわからないにゃお。細かい事は気にすんにゃ」
「……」
細かい事なのだろうか…
「では次の質問だ。君は何処からティルコネイルに来たんだい?」
「秘密だにゃ。禁則事項にゃお~」
「そうか…」
片足でぺしぺしとこちらの足を叩いてくる
だんだんこの会話事態に意味が無いような気がしてきた。
「で、では君の目的はなんだね?どうやらナオがよこしてきた者達となにやらしてるようだが…」
そうなのだ。最近、ナオが紹介してきた冒険者が『しゃべる猫さんっていますか』とよく訪ねてくる。
覗くのもどうかと思い、今まで確認した事はなかった。
「ん~。これもあんまり言っちゃだめにゃんだけど…ダンカン村長には特別に少しおしえてあげるにゅん!」
「おぉ…ぜひ教えてくれ」
期待に胸が高鳴る。
「ダンカン村長は『パラディン』って知ってるかにゃ?」
「あぁ。あの伝説の聖騎士の事か…」
パラディン―エリンが危機に落ちたときに現れ、強大な力を駆使し全ての闇を消し去る光の騎士…
「そうだにょん。実は僕は…」
「実は…?」
まさか自分がそのパラディンだとでも言うのだろうか…まぁ普通ではない事は確かだが…
「僕は人をパラディンにさせる事ができるんだにゃ!」
「……」
何を言ってるんだこの猫(?)は。
「僕にかかれば誰でも簡単、お手軽にパラディンになれるにゃおん」
「そんな…まさかありえない」
「な、なんだにゃお!その疑いの眼差しは!!!」
疑惑の篭った目でみつめると『シャー』と威嚇しながら怒り始めた。
だが、パラディン―ありえないだろ…
「30分であら不思議、貴方も貴女も世界を救う光の騎士!
 そんなに信じられないなら、ダンカン村長をパラディンにしてあげるにゃあ!」
「な、なんだってーーーーー!」
そんな、まさかこの猫(?)には本当にそんな力があるというのか…?
「むふふ…やっと僕の偉大さに気づいたみたいだにゃ」
そう言われると何か猫(?)の体からオーラの様なものが感じる…ような感じないような―
「では早速いくにょん…」
「ゴク…」
緊張からか、体が勝手に唾液を嚥下してしまった。
「まず最初の段階として…」
「な、何だ…?」
「G1をスキップして欲しいにゃ」
「…じーわん?スキップ?」
意味がわからない。
「そうだにゃ~。それをしないとパラディンになれないにゅ」
「…スマン、君が何を言っているのかわからない」
何か儀式のような物なのだろうか。
「だーかーらー。スキップするにゃ?」
「……」
椅子の周りを『スキップするにゃお。にゃおー』などと言いながらぐるぐると回り始める。
段々頭が痛くなってきた。
やはりどうしてもこの猫(?)の言ってる事が本当だと信じられない…
「…わしはもう寝るよ」
「にゃっ!?ここまで話させておいて逃げるにょか!」
「だって…なぁ?」
「にゃあああああああ!こうなったら勝手にスキップしちまうにゃ!…ぶつぶつ」
「……」
なにやらぶつぶつと呪文のような物をささやき始めた。
嫌な予感がする…何かが起こるのか?
「すきーーーーーっぷ!!!!」
「ぬっ…」
猫(?)の目が光を放った。
そしてその瞬間…!
「……にゃ」
「……何も変わった感じは無いんだが」
「そ、そんにゃ…スキップできないにょん」
猫(?)があたふたと慌て始める。
やはりただの狂言だったのか…
椅子から腰を上げ、寝室の扉をあける。
「おやすみ」
「出来るったら出来るんだにゃあああああああああああああああああああああああ」
閉じた扉の向こうから変な生き物の叫び声が木霊した―



おわり

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