スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

僕の想い(小説)(マルコム) 

ブログの更新がおくれてしまいました。すいません。><
今日はマルコムの話です。
では、どうぞ~。

「はぁ…」
口から出たのは溜息。
僕の中で膨らんだ気持ちが、空気となって外に出て行く。
どうすればこの想いは彼女へと届くのだろうか―
「…ん…さん……マルコムさん!」
「は、はいっ!」
大きな声に呼ばれ、自分の世界から醒めた。
目の前には小さな男の子が立ってこちらを見つめている。
「もう、しっかりして下さいよ。虚ろな目をして何かぶつぶつ言ってましたよ」
「アハハ…すみません…」
こんな子供に注意されてしまうなんて…

僕はここ、ティルコネイルで雑貨屋を営んでいた。
裁縫道具からローブまで、結構幅広く品物を扱っている。
小さい頃から物を作るのが好きで、そのまま職にしてしまった、という感じだ。

「このローブ欲しいんですけど、いくらですか?」
「500ゴールドになります。…ありがとうございました」
子供が店から去っていく。
小さいのに賢そうな子だった。
「…はぁ」
また溜息が漏れる。
この恋心のせいで最近はいろんな事が手につかなかった。
「ノラさん…」
話は1年位前に遡る―



その日の夕方、僕はなんとなく外をぶらぶらしていた。
空は黒くなり始め、辺りに静寂が広がろうとしているそんな時間に、どこかから声が聞こえてきた。
「~♪」
「ん?」
どうも、墓地の方から旋律は流れてくるようだった。
声に惹かれ、ゆっくりと墓地に近づいていく、するとそこには…
「--、~・・・」
「ぁ…」
思わず声が出てしまった。
すっかり暗くなった寂しい墓地に、月明かりに照らされた女性が立っていた。
辺りに響く声はとても綺麗で、どこか寂しげで―
よく見るとそれは、旅館で働いているノラ、という人であった。
以前から知ってはいたが、特に交流もなく、それほど気にした事はない。
だが、今は違う。
「ノラさん…」
小さな声で呟く。
僕の一目惚れの瞬間であった…



「あぁ、会いたい…」
最近はいろいろと予定が入り、会えない日が続いた。
そろそろ我慢の限界である。
しかし、今までの事を思い出すと少し落ち込んだ。
僕なりに精一杯ノラさんにアピールしてきたつもりだが、彼女は全然それに気づいてくれない。
2週間続けて毎日旅館を訪れても、

「あ、マルコムさん今日も来たの?旅館すきなんだねぇ♪」

これである、旅館じゃなくて貴女が好きなんです!…と言いたかった。
しかし、そんなに気の弱い僕にそんな事が言えるはずもなく…
「あぁっ!彼女のことを想うと満足に眠ることもできない…」
明日は店が休みだ。久しぶりに彼女に会いに行こう!



―翌日―


自分の家から出ると空は青く、雲一つなかった。
天気も僕を応援してるのだ、そんな気がする。
今日は身なりにも気を使う、持っている服の中で1番おしゃれな物を身につけ、香水まで使用した。
「…よし!」
左手には赤い花束を持つ、これを僕の気持ちと共に彼女に渡そう。

旅館までの道を歩く、ノラさんはいつも旅館の外に出てお客の対応をしているので、すぐ目にする事が出来た。
少し悲しそうな表情を浮かべているのは、気のせいだろうか…。
心を落ち着けて自然に声をかける。
「あ、ノラさんこんなところで奇遇ですネ」
いけない、緊張して声が裏返ってしまった。
「ん?マルコムさん久しぶり~」
あぁ、相変わらずノラさんは美しい。
さぁ、伝えるんだ!この胸の奥からあふれてくる気持ちを…!
「あ、あの…」
「なんですか?」
中々口からその言葉が出ない、それでも男かマルコム!
「くっ…ずっと……ずっと前から好きでした!」
やっとの思いでその言葉を言い、そっと手に持った花束を差し出す。
「え…そうだったんですか…ありがとうございます」
(や、やった!?)
僕が手渡した花束を、彼女はそっと受け取ってくれた。
遂に、僕にも春がやってきたのだろうか?
「そんなに旅館が好きだったなんて…この花束飾っておきますね」
「……はい」
どうせそんな事だろうと思った…
「とても嬉しいです♪」
そう言って、彼女は花束を手に握りながら旅館に入っていく。
気持ちは伝わらなかったようだが、笑顔が見れた―それだけでここに来た意味があったような気がした。




終わり
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://ponde26.blog53.fc2.com/tb.php/30-e5204850

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。