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-BRAVER-(小説)(デイアン) 

今日は「メェ~メェ~」って言っている。デイアンの話です。
よく、PTクエお世話になります>w<

では、かっこいいデイアンをどうぞ~
「いち…にぃ…さん…あれ、やっぱ1匹足りない」
僕の名前はディアン。ティルコネイルで羊飼いを仕事としている。
こんな田舎なんて飛び出して戦士になるのが夢だ。
…いや、まぁ羊は結構好きなんだけどね。
「う~ん…数え直すか……」
羊がちょこちょこと動くので、中々数えられない。
「メェ~」
「メメェ~」
「メ~ェ」
羊達は嬉しそうに、ディアンの周りをうろつく。
「……」
なついてくれるのは嬉しい…だけど、
「もう、いい加減大人しくしろ!数えられないじゃないか!」
大声に驚いて、羊たちが四方八方に逃げ出す。
(あぁ~…クソッ)
心の中で悪態をつく。だが、そんな事をしても羊は待ってくれない。
口笛を吹きながら、やっと羊を数え終わる頃にはすっかり外は夜になっていた。
「…はぁ」
こんな日常が、死ぬまで続くのだろうか。
(…いやだなぁ)
そんな事を考えながら、肉体的にも精神的にも疲れた体を引きずって、小屋に戻った。



そんないつも通りの日常に、一つの変化があった。
その日も羊の毛を狩り、羊達を水場へ案内し、夕暮れ時に数を数え―
「また数が合わない……まったく…」
この作業が1番嫌いであった。
羊達は可愛いが、こんなに数がいては正直、鬱陶しくさえ感じる。
だが、
「…え、あれ」
その日はたまたま羊達が大人しく、比較的数えやすかった。
そう、数えやすい…だが何度数えても、羊の数が1匹足りなかった。
「……」
老衰で死んでしまったのだろうか…だが、今日放牧地を見回ったとき、そんなものは見当たらなかった。
(……ぁ)
一つ、原因が思いついた。
それを確かめるために夜を待つ―



虫が鳴く頃、そっと小屋を出て、羊達が眠る場所へと向かう。
遠くから、羊の鳴き声と別の動物の鳴き声が聞こえる。
(やっぱり…)
そして、その場所にたどり着いた。
暗闇に目を凝らす―そこには羊を威嚇している灰色オオカミがいた。
(こんな所にまで…)
村の周りには、よくオオカミの群れがいる。だが、ここまで入り込んで来る事は稀だ。
昔にも、そんな事があった。
あの時は…叫び声をあげながらその場から逃げた。
―数匹の羊を犠牲にして。
今は、流石に泣き叫ぶ事はしなかった。
だが、足がガクガクと震える。
(早く、早く大人を呼ばなくちゃ)
そう思い、そこから引き返そうとする。
しかし、今この場を離れたら…
「うぅ…」呻き、足を一歩前に出す、動物達の方へ。

乾いた唇を舐める―
震える体を押さえつける―
腰につけた太い棒を手に取る―
後、足りないのは何だ…?
―気合か。

「うわぁああああ!」
自分の弱さをかき消すように叫び、突っ込む。
オオカミがこちらに注意を向ける、その間に羊が逃げて行く。
(良かった…)
心の奥で思った。
『グルルルルル…」
唸り、じりじりと近づいてくる。
怒っているのだろう。それはそうだ、夕飯を取り上げられたら誰だって怒る―
『ガァッ!』
「この野郎、あっちに行けよ!」
学校で剣術など習った事はない、だから、滅茶苦茶に棒を振り回すことしか出来なかった。
それでも、思いが通じたのだろうか―たまたま前に振り下ろした棒がオオカミに当たった。
『ギャンッ』
オオカミが鳴きながら去って行く。
「ハァ…ハァ…」
極度の緊張が一瞬で解けたため、腰が抜ける。その場にへたり込んでしまった。
(なんとか、なったのか…)
大きく息を吸い込み、先程から鳴り止まない心臓を落ち着けようとする。
その時―
「ひっ!」
体に何かが触れる感覚があった。
一生でここまで驚いたのは、この瞬間が初めてだった。
またオオカミが、戻ってきたのだろうか?
だが、
「メェ~」
「…何だお前かよ」
先程、オオカミから逃げた羊が、すりよってきただけだった。
羊にも感情があるのか、その様子は感謝してるように見える。
「ハハ……見たか?僕にかかればオオカミなんてこんなもんさ」
「メェ~」
自然と笑顔が浮かぶ。
今日は気持ち良く寝る事が出来そうだった。



羊の目には、きっとディアンが勇敢な『戦士』に見えた事だろう。



終わり
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